丸子勝基

2020年8月16日

政府のコロナ禍対策を反面教師として

 

企業の組織は企業統治に相応しい効果的な企業組織でありたい。

市場の動向を反映した事業戦略の構築とさらには構築後の市場経済の変動に即した柔軟な見直しができるような現場情報がタイミングよく事業運営に反映されるような風通しの良い企業組織でありたい。

社会経済が激変する最中にあるウイズコロナ時代では特に風通しの良い企業組織の在り方は重要です。

ガバナンス・コードの順守が叫ばれて久しいがウイズコロナの時代にその必要性はさらに高まったように思われます。ガバナンス・コードの実践に重要な事はトップのリーダーシップによる組織の見直しと考えます。

中長期の戦略を構築するにも、それを実行するにも現場の情報がタイミングよくトップに伝達され、トップがそれを咀嚼し戦略に落とし込める双方向の風通しの良い企業組織の在り方が重要です。

しかしながら組織だけが大きく単に職能的な組織だけで権限と責任の委譲があいまいで昭和時代の年功序列制度、終身雇用の旧態以前の制度の中での責任者のあいまいな組織運用が行われている企業が未だあるとすれば、今後の激しい経済変化に対応するに困難だろう。

 コロナ禍による感染拡大防止が優先か経済優先か、いずれかをどの程度優先させるかが論議されています。そこに国のリーダーシップが見えにくい状況が炙り出されたがこれも国の組織の在り方が一因であるといえよう。

従来型の縦割りの中央官庁そして官邸の現場認識と現場の問題を総合的に判断し行動の迅速性を要求される地方行政とのコミュニケーションギャップと意識の違いのある中で官邸は百年に一度という緊急事態に相応した組織の編成とリーダーシップを果たして発揮できたか疑問である。

民間企業でも常時、非常時、現場の問題の解決のために現場の情報が適切に経営層に吸い上げられタイミング良く解決できる組織、あるいは現場や市場の情報に即応した事業戦略が構築でき、会社のリーダーがタイミング良く的確に全社に伝達できているのか、今回のGO TOキャンペンや政府のコロナ禍対策の失態を反面教師として自社の組織や責任と権限の在り方、報告制度の実態などおさらいしてみることが重要であろう。

アフターコロナ時代にも日本経済の稼ぐ力と持続的成長を願うガバナンス・コードの実践は忘れられてはならない。

その成功の鍵を握るのは従来型の日本的経営からの決別であると同時に卓越したリーダーの台頭と風通しの良い経営組織とその機構への移行が必須である。(写真は散歩道の花)    

    0