満56歳でサンマルコ株式会社を創立し、約20年後、大手塗料商社に譲渡した。
創立15周年を記念し、小冊子を制作した。本のタイトルは「提案営業は新市場を創る」。内容は自分史に創立15周年の歩みを含めた内容だが、企業の永続を願っての制作だった。その後譲渡はしたものの企業は、社員は親企業の元、生き延びている。思えば起業時はスリーエムの特約店としてスタートをきり、財務を預かる家内以外、社員は一人もいない。売上がゼロからのスタートであった。商材は建築用のガラスフィルムだ。もともとはゼネコンルートでガラス工事店が仲間のガラスフィルム施工店に工事込みで発注するものである。新築のビルの窓ガラスに透明飛散防止フィルムを施工するのが主要の業態であった。従ってその当時は、既に建築済みの建物にフィルムを貼る事を主要な営業として考えていた企業はいなかった。建築済みの既存のビルにどうやって営業展開するかが問題だ。当時はこんなことを考えている社長達はいなかった。みんな、新築ビルにだけに目を向けている。しかしただビルのオーナーにフィルム貼りませんかと言っても納得性がなく誰も注文はしない。こんな場合、差別化した提案営業しかない。何をどう提案するのか、それが問題だ。そこで誰も考えない簡易防犯フィルムを世にだした。本来ガラスフィルムはガラス全面にフィルム職人貼る物。個人で貼れるようにA3サイズにあらかじめカットし、簡易施工ヘラをつけ、キット化して防犯業界に販売した。その商品名を「スーパーポリス」として販売した。見事にヒットし、当時のテレビや雑誌にも取り上げられ、見事にこの提案営業は成功した。新市場を創った瞬間だった。他との差別化した戦略が功を奏した瞬間でもあった。提案するからには他がやってない事を提案することだ。そうやってサンマルコは成長し、買い手も現れたのだ。
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